<< ブルゴーニュワインの魅力 >>
THE SUITEソムリエ 鈴木 昌武
皆さん、こんにちは。THE SUITE ソムリエの鈴木です。
前回ワインを選ぶ方法のひとつとして「単一ワイン」と「ブレンドワイン」のお話をさせていただきましたが、今回は、世界最高峰の単一ワインを生み出す産地ブルゴーニュワインの世界を覗いていきます。
ブルゴーニュのワインは基本的に、赤はピノ・ノワール100%、白はシャルドネ100%のように、単一のブドウ品種であるにもかかわらず多様性があることが最大の特徴であり魅力。
ピノ・ノワールを使った赤ワインは比較的タンニン(渋み)が穏やかで、豊かでありながらマイルドな酸味と香りの高さ、そして繊細さと凝縮感を一緒に楽しむことができます。
シャルドネを使った白ワインは豊かな果実味と力強い酸と長い余韻からくるコクを楽しめると言われています。熟した果実の充実感や樽由来のリッチなフレーバーとの相性もよく、フレッシュなタイプからリッチなタイプまで幅広いタイプが楽しめます。
「シャブリ」「ムルソー」「モンラッシェ」などが世界で人気を博するブルゴーニュの白ワインです。
ワインには、テロワール(産地や土地の個性)が表現される素晴らしさがありますが、世界で色々と生産されるワインの中でも、ブルゴーニュ産のワインは最も顕著にそのテロワールが語られるワインです。
例えば銘醸地として知られる「ジュヴレ・シャンベルタン」や「ヴォーヌ・ロマネ」などの小さな村の中に細かな畑の区画が明確に分かれており、それぞれの区画ごとのキャラクターが研究し尽くされ、ブドウの栽培やワイン造りに投影されています。
ブルゴーニュでは14世紀末に病虫害によってそれまでのブドウ樹や畑が壊滅的な状態になり、一時期品質の高くないブドウからテーブルワインクラスのワインしか造れない時代もありましたが、ブルゴーニュ公国の フィリップ公が赤ワインのブドウを「ピノ・ノワール種」のみにするという判断を下し、現在のブルゴーニュワインのアイデンティティを決定する重要な要因となりました。
そして、品質を評価するために4つのクラスが定め、小さく区分けした畑の区分であるクリマや格付け、ブドウ畑の整備や品質管理など何世紀にもわたり繁栄し、名声を高め、最上のブドウ、最上のテロワールを構築し続けてきました。
●Grand Cru グラン・クリュ(特級畑クラス)
全生産量のわずか1.5%ほどの頂点に君臨する「グラン・クリュ」は、生産量が少なく品質の高い希少なワインを生産することができる畑で、「ロマネコンティ」や「コルトン・シャルルマーニュ」など、有名な銘柄が存在します。
●Premier Cru プルミエ・クリュ(一級畑クラス)
グラン・クリュに次ぐ品質と希少性の高いワインを生産するのが「プルミエ・クリュ」畑です。
ブルゴーニュきっての人気ワインであるヴォーヌロマネには「ヴォーヌロマネ・レ・スショ」「ヴォーヌロマネ・?・ショーム」「ヴォーヌ・ロマネ・オー・ブリュレ」など同一村の中に15の一級畑があり、それぞれのヴォーヌ・ロマネ〇〇と畑の名前を表記することができます。
●Communales コミュナル(村名クラス)
単一の村の畑で収穫されたブドウを使用する「コミュナル」は、その村で獲れた複数の畑のブドウを使用することができます。
「シャブリ」「ジュヴレ・シャンベルタン」「ヴォーヌ・ロマネ」などその村名の表記となります。
●Regionale レジョナル(地域名クラス)
ブルゴーニュ地方全域の畑が対象となり、ラベル表記は地域名の「Bourgogne(ブルゴーニュ)」「Bougogne Cote d’Or(ブルゴーニュ・コート・ドール)」などと表記されています。
実際に飲むとその階級ごとに味の格、余韻の長さに違いが出てくることを実感できます。
地域ごとや村ごと、そして狭い範囲にひしめき合いながら畑ごとのテロワールの違いに魅了されます。
さらに、そのバラエティー豊かな味わいをそれぞれの生産者ごとに表現しています。
THE SUITEのバラエティ豊かな美女たち同様にその奥深い魅力を愉しめるブルゴーニュワインを皆様もぜひ味わい尽くしてみてください!