『ピエモンテの静かなる巨匠』
〜イタリア紀行20〜
Le Club de Tokyoソムリエ 泉澤 進也
こんにちは。Le Club de Tokyo ソムリエの泉澤です。
やっとブルーノ・ジャコーザを訪れた話をご紹介!(笑)
すぐに分かるよって教えてもらったのに間違えたもうひとつのジャコーザのワイナリーから、ブルーノのワイナリーを目指します。
ネイヴェの町の中を通る大きめの道沿いにあるので周りにブドウ畑もなく、町並みにある石造りの建物が当時のブルーノ・ジャコーザのワイナリーです。
訪問すると娘のブルーナのお出迎えがかなりのハイテンション!
南イタリアではこれくらい高めのテンションで歓迎されたりもしましたがブルーナもなかなか。
ブルーナが落ち着いてから軽くワイナリーの案内をしてくれます。
話をしながらかなり昔からのジャコーザワインコレクションを見せてくれました。
ヴィンテージを忘れましたが、ブルーナがすごく嬉しそうに「この頃のワインが一番好きで私はこのワインを造りたい」って言ってたのは覚えているのですが、大事なとこなのにヴィンテージが思い出せない。(汗)
次はブドウ畑へ車で出発。
ネイヴェから程近いサントステファノに連れていってもらい、あのブルーノ・ジャコーザが育てたブドウまで食べさせてもらったりしましたが時期が少し早かったのであまり美味しくもなかったです。
ここからアジリにも連れていってもらいワイナリーへ戻ります。
なだらかな勾配に広がるアジリの畑はきれいに整備されて感動するほどの美しさでした。
ワイナリーに戻ると、待っていてくれたブルーノの説明を聞きながら一緒にテイスティングの時間を設けてくれました。
ブルーノは香りを大切にしていて、ワインを感じるには香りが全て。全てにおいて嗅覚に頼る事が最も理にかなっていると言っていました。
とても穏やかで、でもブドウやワインに対する情熱が強くて、そんなブルーノの話を聞いてるうちに ぼくもワインを造ってみたいなと考えていたことを思い出します。
あれから何年も経ち、今のぼくの年齢からワインが造れるようになったとしても、たぶん多くて20回チャレンジできたら幸せなのかと思いますが、叶えば嬉しいですが叶うのかどうか。
ブルーノも亡くなってしまいましたので同じ経験、体験はもうありません。
とても忘れられない思い出のブルーノジャコーザでした。
「今日は素晴らしく、明日は驚くほどにうっとりするワイン」
ぼくもこんなワインを造れるようになってみたい!