<< 好みのタイプの見つけ方 >>
THE SUITEソムリエ 鈴木 昌武
皆さん、こんにちは。THE SUITE ソムリエの鈴木です。
「ワインってどうやって選べばよい?」
ソムリエをしているとこういった声をよく耳にします。
ワイン選びに正解はないと思いますが、せっかくなら好みの味わいのものを選べるようになったり、メニューを見た時にイメージできるようになりたいという方のために、今回は、ワイン選びのコツとして、「単一ワイン」と「ブレンドワイン」の2つを参考に自分好みのワインを探る方法をご紹介させていただきます。
ワインは、使われた品種によって味わいや香り、色が大きく変わりますが、一つのブドウ品種しか使わない単一ワインと、複数のブドウ品種を使って造られるブレンドワインがあります。
単一ワインの代表格は、フランス・ブルゴーニュ地方が有名ですが、アメリカやチリ、オーストラリア、日本などの新世界と呼ばれる国々でも主流です。
ワインはブドウを原料とするお酒ですので、必然的に使用しているブドウ品種の特徴がワインの味わいに大きく影響します。
ブルゴーニュの有名ワインは、赤は「ピノ・ノワール」、白は「シャルドネ」100%で造られているものがほとんどで、ワイン新興国の単一ワインのラベルにはブドウ品種が表記されていることも多いため、ブドウ品種の特徴を掴むやすいのではないでしょうか。
このような単一ワインを選んで飲んでいくと品種の特徴や味わいのイメージを深めることができます。
そして、同じ品種のいくつかのワインを経験するうちに品種ごとの特徴がより分かってきますので、次のステップとして、産地やヴィンテージの違いを楽しんでみるとよいと思います。
ただし、単一品種の表記があっても必ずしも「単一ワイン」ではない場合があります。
各国のワイン法によって、その品種を何%以上使用していればラベルにブドウ品種を表示しても良いといった取り決めがあるためです。例えば、アメリカでは同一品種が75%以上、オーストラリアでは85%以上使われていればラベルに表記されていて、単一ワインと思い気や、ほんの数%だけ別品種がブレンドされている場合もあるので、迷った時は店員さんやソムリエさんに尋ねてみてください。
一方の「ブレンドワイン」は、フランス・ボルドー地方や南フランスのコート・デュ・ローヌなどの数多くの産地やイタリア、スペイン、ドイツなどの旧世界と呼ばれる歴史が深く昔からワインが造られてきた産地が挙げられます。
ブレンドワインのメリットは、ワインに複雑さを与えることや、生産者が味わいのコントロールをしやすいといったところにあります。
1種類の品種では表現できない骨格や酸、華やかさなどのあらゆる要素を複数の品種のブレンドによって表現できることが単一ワインとの違いでもあります。
単一ワインに比べると選ぶのが難しいかもしれません。赤でも白でもブレンドする際の品種の数は、2種類のものもあれば3種、4種、中には10種類以上ブレンドして造られたるものもあります。
さらに、フランスを含めたEUのワイン法によって、ブドウ品種のブレンド比率がラベルに記載されないワインが多く、同じ銘柄のワインであっても生産年度にブレンド比率が変わったりします。
そのため、ブレンドワインで好みを見つけるためには、産地や生産者を意識していただき、好みだったワインの産地名、または主要品種で覚えていくのがよいと思います。
例えば、ボルドーの○○村のワイン、またはメイン品種がといった感じ覚えていただいて、それらの同じ産地や同じメイン品種のワインをいくつか飲んでいくと品種や産地の味わいのイメ—ジができてくると思います。
ワインは、皆さまそれぞれのライフスタイルやシチュエーションに合わせて、自由に選んで楽しんでいただけるものだと思います。
その都度に食に彩りを添えたり、味わいそのものを感じたり、気難しく考える必要はありませんが、今回ご紹介した視点をお持ちいただくと飲む歴が長くなってきた時に今まで気がつかなかった、新しいワインの楽しみに触れられるのではないでしょうか。
そして、好みがわかってきた時には、ワインの浮気がおススメ!
今まで苦手だったタイプの良さに気づかされたり、好みのタイプのどこを好きなのかが明確になります。(笑)