< 映画の中のワイン・第96章 〜人物編 >
六本木クラブチックソムリエ 平野 光志
こんにちは。六本木クラブチックの平野です。
今回は題名は映画の中のワインとなっていますが、映画の中のワインと共に登場していただきたいぐらい大切な方が1月17日に逝去されたので、どうしてもこの方について語らせていただきたいと思います。
この方の名前は山本博先生と仰います。弁護士ですがワイン評論家としても活躍していました。
ワインに関する多くの著書があります。60年代頃からワインに触れ、2001年には日本ソムリエ協会のソムリエ・ドヌールに叙任。
日本輸入ワイン協会会長、世界ソムリエコンクール日本代表審査委員、「日本ワインを愛する会」会長も務めていました。日本における正しいワイン知識の普及に大きな功績を残してきた方で、まさにワイン評論家の先駆者です。
2012年に出版された「東京おいしいワインバー」の中ではチックグループの「SAKURA」を紹介していただいたりもしました。
ある時、佐藤陽一氏がオーナーの「MAXIVIN」で一緒にランチをさせていただいた時はお肉をペロリ、ワインをガブガブ、ちょっと一服でタバコもスパスパ吸われていました。
とにかく元気な方という印象でした。
山本先生が書かれた著書の中で、フランス革命が勃発し、ロマネ・コンティの畑は国に没収され、競売にかけられた。競売を巡ってダマし合いのようなやりとりがあった末、公正な価格の算出という目的から1794年7月6日、鑑定書が作成される。鑑定書の冒頭部分は有名である。
「ロマネ。極めて精妙、優美なワインを生み出すが故に有名なぶどう畑の1区画。ヴォーヌ村のぶどう畑の中でもぶどうが完璧に熟するのに最も適した位置にある。西側が東側よりやや高いため四季を通じて毎朝いちばん早く太陽の日差しを浴び、1日の中でいちばん穏やかな熱の刺激をいち早く吸収する。」この文章を読んですぐにロマネに行きたくなりました。そして数年後に本当に行くことになるのですが・・・。
ずいぶんお世話になりました。これからも私はワインを大切にしていきたいと思います。
飲んで御恩返しをしていきます。