神に愛されたワイン産地
〜ブルゴーニュワイン〜
THE SUITEソムリエ 鈴木 昌武
皆さん、こんにちは。THE SUITE ソムリエの鈴木です。
今回は、ワイン大国フランスが世界に誇る銘醸地「ブルゴーニュ」についてご紹介させていただきます。
赤ワインだけでなく、白ワインも数多く造られ、知名度や人気度は他のワインと比べて飛び抜けて高く、確固とした地位を築いている。これが「ワインの王様」たる所以です。
フランスの東部に位置するブルゴーニュは一日の寒暖差が大きく、夏は暑く、冬は寒い亜大陸性気候で高品質なブドウ栽培に適している風土。
土壌はジュラ期(約2億年〜1億5千万年前)の海洋性生物の死骸が堆積して出来た石灰岩が母岩となっています。
世界最高級赤ワインとして知られるロマネ・コンティ擁する「ヴォーヌ・ロマネ」、ナポレオンが愛したワイン「シャンベルタン」、
毎年話題になる「ボージョレ・ヌーボー」など、赤ワインの数々の地区や、辛口白ワインの代名詞「シャブリ」、世界中の白ワインの頂点に輝く「モンラッシェ」など、赤白ともに世界で最も有名で高品質のワインを生み出している地域です。
ブルゴーニュ地方の中にもさまざまなワインの産地があり、地域によってそれぞれ個性があるため、一概に「ブルゴーニュワインはこんなワイン」と一括りにすることはできませんが、ブルゴーニュで造られるワインの特徴の一つは、単一のブドウ品種から造られていることです。
赤ワインはピノ・ノワール、白ワインはシャルドネという品種が主要品種です。
(他にもボジョレー・ヌーヴォーに使用されるガメイという品種や、白ワインではアリゴテというシャルドネよりもすっきりした酸味が特徴のブドウも栽培されています。)
全体的にふくよかな香りと繊細な味わいが深い傾向があり、エレガントさが感じられ、白ワインはミネラル感が強く、スッキリとした口当たりで程よい酸味が楽しめます。
ブルゴーニュの主要品種ピノ・ノワールは泥灰岩が向いていて、白で有名なのはシャルドネは石灰質土壌が向いています。
(実際にはブルゴーニュの土壌はいろいろな地質がミルフィーユのように何層にもなっていて、しかも狭い範囲で土壌が異なっているため、数メートルしか離れていない隣の畑と全く違うワインとなったりします。)
ピノ・ノワールは皮が濃い紫色をしている「黒ブドウ」の一種で、赤ワインの原料としてよく使われる品種です。
華やかな香りとフレッシュな果実味が感じられます。また、比較的種が大きいためタンニンが多く含まれ、ワインにすると絶妙な渋みや苦味も加わり、複雑かつ繊細な風味となります。
先ほど挙げた最高級ワイン「ロマネ・コンティ」もピノ・ノワールから造られています。
シャルドネは皮が淡い黄緑色をしている「白ブドウ」の一種で、白ワインの原料です。栽培する地域の気候によって香りが異なり、涼しい地域で収穫されたものは柑橘系の、温暖な地域のものはトロピカル系やナッツ系の香りが楽しめます。キレのあるすっきりとした味わいがあり、ほどよい酸味とコクが感じられます。
ブルゴーニュ地方は北から順に、シャブリ地区、コート・ド・ニュイ地区、コート・ド・ボーヌ地区、コート・シャロネーズ地区、マコネ地区、ボジョレー地区の6つのエリアに大別できます。
(他の地区も、ややマイナーながら個性豊かなワインが生産されており、近年注目を集めるエリアもあります)
それぞれのエリアごとの特長はまたの機会となってしまいますが、ブルゴーニュワインは単一品種のブドウで造られ、一切のブレンドをせずとも、味わい、香りともに驚くほどの余韻の長さが楽しめるという魅力がありますので、そのエレガンスさ、ふくよかな香りと繊細な魅力を楽しんでいただければと思います!