<< 「ロマネ・コンティはなぜ高い?」 >>
THE SUITEソムリエ 鈴木 昌武
皆さん、こんにちは。THE SUITE ソムリエの鈴木です。
「100万円を超える飲み物」と聞くと、真っ先にあるワインが思い浮かぶ人は多いのではないでしょうか?
筆頭とも言えるロマネ・コンティは、ネット価格でも400万円以上は当たり前です。
しかし、なぜここまで高額なのかと聞かれても、なかなか明確に答えるのは難しいのではないでしょうか。
そこで、今回はワインの価格を決定する要素を解説します。
味わいと価格の関係も知ることができたり、ワインの価格を押し上げている要素を知ると、ワインの見え方が変わってくることがあると思いますので、ご一読ください!
まず、ワインの価格が高くなる要素の中には味わいに関係する要素と、味わいとは別の要素があります。
味わいに関係する要素としては、手作業の比率、木樽の使用、ブドウの収穫量など、シンプルに希少性が挙げられます。
・原料となるブドウの収穫量が少なければ高価になる
・1本の樹から採れるブドウを少なくする
・樹に雨水を吸わせず凝縮されたブドウを栽培
・よりこだわった造り方
・発酵・熟成時に新しい木樽(新樽)を使う
・畑の管理を手作業で丁寧に行う
・発売直後にオークションなどにより急騰
・消費されていくことによる希少性が増加する
・投資家向けの現物資産としての機能
などが価格を上昇させている主な要因です。
原料になるブドウにこだわり、あえて収穫量を少なくすることで、ワインの味わいは良くなり高価になります。
樹をたくさん植えた方がたくさんのワインを造ることができるように思われますが、実際には逆です。
広々とした場所に間隔をあけてブドウを植え、根を横方向に広げさせることで雨水を吸収しやすくして、たっぷりと水分を含んだ質量の大きなブドウとなります。
また、全く選果しなければ、大量にワインを生産することができるものの味・香りともに薄いものになります。
こうした事態を避けて高品質なワインを維持するために、ワイン特産国や地域では、ブドウ樹からの収穫量も含め、法律で収量制限が設定。
大量生産を目指すあまり、ブドウの質が下がることを規制する法律で、「畑1haから採ってよいブドウは○○kgまで」と定め、栄養が行き届かないブドウを造ることを防いでいます。
もちろん、上位の格付け(高額)になるほど許容される収量が下がっていき、より厳しい規定となっています。
さらに高品質なワイン造りを目指す生産者たちはその規定よりも厳しい制限を自主的に設けてブドウを栽培しています。
食用果実を育てる際も、結実した後に良い実を残し、他の実を切り落とす手法が知られています。
残した果実に栄養を集中させるためですね。
ワイン用ブドウでも同じ手法を取っており、普通に育てれば1本あたり8房とれるブドウをあえて2房まで落としたりします。
つまり、栄養を集中させたブドウで造ったワインの方が美味しくて高価になります。
このように収穫量を落とすことで、味・香りともに凝縮されますが、ワイン生産量はどんどん落ちていきます。
また一般的に若い樹の方が多くの果実をつけ、古い樹は樹勢が落ち着いてきて、果実の量が少なくなりますが、古い樹の方が根が地中深くまで伸びて多くの栄養を得ることができるため、味わい深くなります。
高額なワインでは、ブドウの樹齢が一定以上にならないとワイン生産をしないことが当たり前のことで、樹齢と味わいは密接に結びついています。
このように、ワインの価格を上げる要素は、ブドウの収量などが関連してきますが、それ以外にも造り方へのこだわり、評価と希少性の高さなども影響しています。
ロマネ・コンティのような超高級ワインは、ブドウ栽培や造り方で世界最高水準にお金がかかり、専門家や愛飲家の味わいの高評価や希少性も手伝って高額となります。ワインは時間とともの消費され、より希少性が増加するため、投機目的やオークションなどによってさらに市場価格が上がっていくということになります。
皆さんもぜひTHE SUITEが誇る美女たちと楽しい時間と厳選されたワインをお楽しみください!