「右岸と左岸」
ザ・スイート
ソムリエ
鈴木 昌武
皆さん、こんにちは。チックグループ完全会員制プライベートサロン「THE SUITE」ソムリエの鈴木です。
こういったワイン解説は久しぶりですが、今回はワインの聖地として、ワイン好きには有名な銘醸地『サン・テミリオン』のお話です。
世界をリードし、「フランスワインの女王」と称されるボルドーワイン。
このフランスを代表する銘醸地、ボルドー地方には、右岸と左岸と呼ばれる2つのエリアがあり、それぞれにワインの特徴や味わい、格付けも異なります。
右岸と左岸の違いがわかると、ボルドーワインがもっと楽しくなると思いますので、ぜひお読みいただければ幸いです。
ボルドー地方は、大西洋とそこに流れ込むジロンド川の支流に囲まれた地域。
このジロンド川は、その東に流れるドルドーニュ川と南を流れるガロンヌ川が合流した大きな河川です。
ボルドー地方の右岸というと、このうちドルドーニュ川からジロンド川が流れる東側の地域を指し、左岸というとガロンヌ川からジロンド川が流れる西側の地域を指します。
右岸・左岸と分けて語るくらいですから、それぞれの地域で造られるワインの味わいはかなり異なります。
右岸で造られるワインは、左岸と比べると渋味が穏やか豊満で女性的な味わい。
もちろん造られるエリアによって味わいは様々ですが、熟成するとブルゴーニュのような優美さを見せるワインすらあります。
左岸で造られるワインは、一般的にカベルネ・ソーヴィニヨン主体で造られる力強くタンニンが豊富右岸と対照的に渋味のしっかりとした男性的な味わいで、典型的なボルドーワインのイメージには、左岸のワインの方が当てはまるかも知れません。
ボルドーワインを語るとき、「これは右岸のワイン」とか「左岸らしい味わいだね」といった言葉を耳にしたことはありませんか?
ワイン愛好家の間でよくある右岸派・左岸派トークは、このようなイメージを元に話されています。
詳しい解説は次回以降になってしまいますが、あまり知らないという方はこの機会にぜひ『サンテミリオン』という産地だけでも覚えて、より楽しいワインライフをお楽しみください!