映画の中の日本酒 〜獺祭〜
六本木クラブチックソムリエ 平野 光志
映画「仕掛人・藤枝梅安」を観ました。
「仕掛人・藤枝梅安」は、「鬼平犯科帳」、「剣客商売」とともに時代小説の大家・池波正太郎の三大シリーズとして、長く愛されている作品です。
その最大の魅力は、主人公の梅安が、人の命を救う「鍼医」と人を殺める「仕掛人」、ふたつの顔を持つ人物であるということです。
人は悪いことをしながら、一方では善いこともする矛盾した存在である。これは池波正太郎が作品の中に描き続けたテーマです。
2023年は、池波正太郎生誕100年という記念の年です。まさに「時代劇・新時代」の代表作としてアピールされています。
監督・河毛俊作、脚本・大森寿美男、エグゼクティブ・プロデューサー・宮川朋之、キャストは豊川悦司(藤枝梅安)、片岡愛之助(彦次郎)、菅野美穂(おもん)、天海祐希(おみの)、柳葉敏郎(羽沢の嘉兵衛)他です。
さて、この映画の中には、「分とく山・野崎洋光監修」で江戸の料理が完全再現されています。
鴨鍋や鶏鍋など、その他いろいろ出てきます。見ているだけでも美味しそうと思えるぐらい湯気もたっています。
また、そんな料理とともに日本酒が出てきます。銘柄はもちろんわかりません。
ただこれも美味しそうに梅安と彦次郎が飲んでいるんですね。
なんだか二人で飲んでいる姿を観ているだけで、こちらもほっこりとした気持ちにさせたれるから不思議です。(笑)
とにかく観ごたえのある役者、ストーリー、料理、お酒。いい映画でした。
さてクラブチックにも日本酒があります。『獺祭純米大吟醸磨き二割三分』です。
山田錦を23%(77%)という極限まで磨いたお酒で、華やかな上立ち香と口に含んだ時のきれいな蜂蜜のような甘み、飲み込んだ後口はきれいに切れていきながらも長く続く余韻です。
このお酒は最初は25%の歩留まり精米歩合の酒を造ろうと思われていたそうですが、灘のある大手メーカーが24%精白の純米大吟醸を販売していると知り、2%磨いて23%にするよう精米担当者に要請します。
すでにその時精米し始めてから6昼夜経っていて、疲れもあり渋る彼を説得して何とかあと2%磨いてもらったそうですが、その最後のたった2%を磨くために24時間かかったそうです。
スゴイとしか言いようがないですね。
ぜひチックでもこの凄い日本酒を凄い美女たちと一緒にご堪能ください!