シャトー・オーブリオン
六本木クラブチックソムリエ 平野 光志
先日、『シャトー・オーブリオン 2016年』をテイスティングさせて頂く機会がありました。
最近の五大シャトーは、どのシャトーも価格が上昇していて飲めることがほぼありません。
ですので、久しぶりに考えながら飲んだテイスティングコメントを書かせて頂きます。(笑)
やや紫がかったガーネット色、黒スグリやブルーベリー、チェリーなどの濃厚な果実香にライラックやバラなどのニュアンスが溶け込み、複雑で深遠なアロマが徐々に華開きだします。
凝縮した果実の旨味と滑らかなタンニンが口の中に広がっていき、飲み込むと長く余韻が続きます。
類まれなアロマと複雑で上品な風味、そして芳醇な果実味。まさに極上のワインです。
シャトー・オーブリオンについて少し説明させて頂きます。
もし、シャトー・オーブリオンに行かれるのであれば、車で行く場合、時間に少し余裕を持って行って下さい。
シャトーが市街地の真ん中にあり、いつも道路が混み合っているからです。
近くには大学があり、集合住宅が立ち並んでいます。
初めて行った時はブドウ畑からマンションが見えるのにはビックリしました。
畑を歩いていると表面には小石が多く、水はけの良さが感じられます。
畑の面積は45ヘクタールで、黒ブドウ品種は、メルロ、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルドを栽培していて、1ヘクタールあたりのブドウ樹の作付け本数は約8,000本で、平均樹齢は黒ブドウ品種が37年、白ブドウ品種が25年です。
1525年にボルドー議会のジャン・ド・ポンタック氏が結婚により「シャトー・オーブリオン」と呼ばれる小村を手に入れ、49年に現在のシャトーを建設しました。
1649年、オーナーとなったポンタック家のアルノー3世により、ワイン造りが始まります。
イギリスなどの国々に販路を広げ、チャールズ2世の時代には王室でオーブリオンがサービスされたという記録も残っています。
1836年からラリュー家がオーナー。
1935年にアメリカ・ニューヨークの銀行家、クラレンス・ディロン氏がシャトーを購入、孫娘ジョアンさんからルクセンブルク公国のシャルル殿下と結婚し、現在はジョアンさんの子息ロベール殿下がシャトーを保有しています。
皆さんもこの華麗な経歴を誇るシャトーの美酒をクラブチックグループの美女とご賞味ください!