映画の中のワイン・第８９章

映画『ゴヤの名画と優しい泥棒』を観ました。

この映画は実話です。チャーミングな主人公に名優ジム・ブロードベント。
そして、長年連れ添った妻を演じるのはヘレン・ミレン。
イギリスを代表するオスカー俳優の共演によるユーモアあふれる軽妙な夫婦の会話劇も見どころのひとつです。

監督は、2021年9月、惜しまれながら逝去。本作が長編遺作となった「ノッティング・ヒルの恋人」のロジャー・ミッシェル。
名画で世界を救おうとした男が人々に優しく寄り添う姿を描く、爽やかな感動作です。

ストーリーはロンドン・ナショナル・ギャラリー、1961年世界屈指の美の殿堂から、ゴヤの名画「ウェリントン侯爵」が盗まれた。この前代未聞の大事件の犯人は60歳のタクシー運転手ケンプトン・バントン。

孤独な高齢者がＴＶに社会との繋がりを求めていた時代、彼らの生活を少しでも楽にしようと盗んだ絵画の身代金で公共放送（ＢＢＣ）の受信料を肩代わりしようと企てた。
しかし事件にはもう一つの隠された真相が・・・。

当時、イギリス中の人々を感動の渦に巻き込んだケンプトン・バントンの優しい嘘とは？
この映画の中で主人公役のジム・ブロードベントが妻役のヘレン・ミレンにワインを渡すシーンがありますが、二人の息子はビール、本人は紅茶、奥さんだけワイン？
奥さんがワインが好きらしいということだと勝手に納得してみました。（笑）

舞台はロンドンですから、その頃は、フランスのボルドーワインからの輸入がほとんどです。
ワインは白ワインがグラスに入った物でしたが、ボトルは出てきません。

ボルドーの白ワインはグラーブ地区のワインが有名ですが、特に有名なのがペサック・レオニャン。
セミヨンとソーヴィニヨン・ブランの混合ワインです。

例えば、スミス・オー・ラフィット、ド・フューザル、パプ・クレマン、オーブリオンなどが有名です。
５大シャトーのオーブリオンの白はなかなか数も少なく高値のため、めったに飲めるものではないですね。

しかし、飲んでもらえば分かりますが、なんとも言えない甘い香りとなめらかな味わいが口中に広がります。
おもわず唸ってしまいます。一度、美女と一緒にいかがですか？（笑）