「イタリアワインの王」

皆さん、こんにちは。六本木“THE SUITE”でソムリエをしている木村です。
以前に、「ワインの王、ワインの女王」というお話をさせて頂きました。
「ワインの王」は「ロマネ・コンティ」をはじめとする綺羅星の如く輝く銘醸ワインを産するブルゴーニュ地方を紹介いたしましたが、「王」と呼ばれるワインは他にもありますので、紹介をしてまいります。

まずは、イタリア二大銘醸地の一つ、フランスに隣接する北部のピエモンテ州の赤ワイン「バローロ」。
イタリアを代表とする重厚なタイプで、非常に長命なワインです。

最近では若いうちから楽しめるようにとエレガントな「バローロ」が増えてきましたが、実は19世紀以前は甘口ワインだったそうです。

通常、ワイン用のブドウは9月ごろ収穫されますが、「ネッビオーロ」というブドウが熟すのは11月に入ってからとかなり遅めです。
そこから醸造をはじめ、厳しい冬の寒さにさらされると、アルコール発酵が途中で止まってしまい、糖分が多く残った甘口ワインになってしまった。どこかでお話ししたような内容ですね。

19世紀なかば、フランス人醸造家の協力を得ながら改良が重ねられ、長期熟成型の辛口赤ワインへと変身をとげました。
生まれかわったバローロは、トリノのサルデーニャ王国宮廷で爆発的な人気を博し、「ワインの王であり、王のワインである」と賞賛されるようになったそうです。

The Suiteでも今抜栓して美味しい「バローロ」を用意しております。
カゼッタというワイナリーは伝統的なオーク大樽で3年間の熟成を行い、ネッビオーロの本来の魅力を存分に引き出しています。
素敵なキャストとご一緒に、このエレガントなバローロをお楽しみくださいませ！