初めてのワイン～長野ワイン発掘の旅 Part.2

皆さん、こんにちは。六本木“The Suite”でソムリエをしている木村です。
前回は、美味しい長野県産ワインを探す旅の始まりをお伝えさせて頂きました。今回はその続きです。

訪ねたワイナリーでは醸造所と畑を見学し、説明を受けながら試飲させて頂きました。
ワイナリーごとに違うこだわりがあり、お話しはとても興味深かったです。
共通するのは、いかに品質の向上が図れるのかと真摯に取り組む姿勢。まだまだこれからといったワインが多かったのですが、絶対に美味しいワインが出来るという確信が持てました。
塩尻市、松本市、安曇野市など、まずは近隣ワイナリーを中心に見て回りました。

ワイン探しをしている最中、長野市よりも北の産地、栗で有名な町に「ピノ ノワール種」を使用した珍しいワインがあるとの情報を聞き、早速出向きました。

当時、ヨーロッパ系のブドウ品種は、白ワイン用に「シャルドネ種」。赤ワイン用には「メルロー種」と「カベルネ・ソーヴィニヨン種」がほとんどでした。

しかし、そのワイナリーは非常にユニークで、白ワイン用に「シャルドネ種」は勿論、「ソーヴィニヨン・ブラン種」、「ピノ ブラン種」、「ケルナー種」、「リースリング種」など多彩。
赤ワイン用にも前出のブドウ以外に「シラー種」、「バルベーラ種」、「カベルネ・フラン種」など実に面白いラインナップ。

なぜこのように多くのブドウ品種を使うのか尋ねたところ、「どのブドウ樹が、この地域に合うのか分からないから。」との事でした。
ブドウ樹はさらに、河原や平地、丘陵の斜面など点在した畑に植えられ、適性を極めるといった徹底ぶり。
長野らしくリンゴを使用した甘口と辛口のシードルや、ブドウを凍らせて造る極甘口のアイスワインなど、チャレンジ精神に満ちた造り手でした。

造り出すワインは風味豊かで、余韻の長い高品質なワインばかり。
その後、このワイナリーも様々な海外コンクールで受賞を果たし、非常に有名な造り手となりました。
超多忙となった後も、毎年生産者を囲む会に参加して、多くの方々を魅了し続けています。

高品質なワインを生み出すワイナリーの多い長野県には、「長野県原産地呼称管理制度」というものがあります。
2002年、田中康夫知事（当時）の時代に、長野県で生産・製造された味と品質が特に優れたものを認定する制度として発足しました。いわゆるブランド化です。
ワイナリーの努力が自治体を動かす動機となったのです。
これからまだまだ発展して行きます。変わりゆく日本ワインに大注目です！