映画の中のワイン・第７７章

映画『太陽は動かない』を観ました。『怒り』『悪人』などで知られる吉田修一のスパイアクション小説を藤原竜也主演で映画化した作品です。
監督は『海猿』『ＭＯＺＵ』など、数多くのヒットシリーズを手掛ける羽住英一郎。
共演は竹内涼真のほか、ハン・ヒュジュ、ピョン・ヨハン、佐藤浩市、市原隼人。加藤清史郎らが脇を固めています。

この作品の中でワインを飲みながら食事をするシーンがありますが、エチケットは見えません。
ボルドータイプのいかり肩ではあるのですが、どこの国のどんなワインかは分かりませんでした。ただ美味しそうに食事をしていたシーンなので印象には残りますね。

美味しいと言えば、だいぶ前に味覚地図について書かせてもらったことがあったと思います。
舌の場所ごとに味わいを感じる場所が違うというものです。

1901年にハーバード大学の学者によって発表された論文をもとに広がったのですが、1990年代前半には否定され、今では味覚地図は間違いだとも言われています。
そして現在では、口中のあらゆる場所で総合的に判断されているという説が有力です。

ただ「説」というように、まだ明らかになっていないことの方が多く、2010年には「味わいは様々な場所から総合的に判断するものの、味覚地図のように場所によって味わいが感じやすい箇所があることは間違っていない。」との論文も出ています。

ということは、結局、味覚地図はあるということを言っているようなものです。
まだまだ人間の味覚は不思議なことだらけです。（笑）

ただ、一番最初に口の中のどこに当たったかによって味わいを感じる印象は違うというこが分かります。

また味わいは総合的に判断するので、一緒に香りを吸い込むことによっても味わいは変わるということも分かっています。

しかも、どんなワイングラスで飲むかによっても違いますし、温度によっても違いますし、その日の自分の体調のコンディションによっても違います。
味わいはとにかく繊細です。

一人ひとり味覚が違うということは間違いないですね。（笑）