ワイン界の二大巨頭！（後編）

世界をリードする二大銘産地であるボルドーとブルゴーニュの違いについて、同じフランスであるにもかかわらず、ボルドーは海洋性気候、ブルゴーニュは大陸性気候と気候の違いによって、異なるスタイルを持つに至った経緯を解説させて頂きましたが、それ以外にも大きな違いがあります。

まず、見た目ですが、ボルドーワインは“いかり肩”のボトルで、ブルゴーニュワインは“なで肩”のボトルに入っているため、ボトル形状からもどちらの地区のワインかを分類することができます。

なぜ、ボトルの形状が違うかというと、ボルドーのワインは濃厚なものが多く、澱(おり)ができやすいのが特長です。
グラスに注ぐ時、澱がグラスに入らずボトルの肩の部分でとまるよう、いかり肩のデザインになっています。

一方のブルゴーニュワインは、使用するブドウ品種の性質上、ボルドーワインに比べると澱が少なく、澱をとめる必要性がそこまでないため、なで肩ボトルになったと言われています。

そして味わいとしては、ボルドーの赤ワインは、５大シャトーと言われる「シャトー・ラフィット」「シャトー・ラトゥール」「シャトー・ムートン」「シャトー・マルゴー」「シャトー・オーブリオン」などのどっしりとしたフルボディで、この特色は、ブレンドの中心にもなっているブドウ品種カベルネ・ソーヴィニヨン種がもたらすものです。

口に入れた時の最初の印象であるアタックがはっきりしていて、タンニンも強め。
熟成を重ねれば、独特な渋味はやわらかくなり、香りも引き立ちます。
料理のマッチングとしては、やはりお肉料理で、ローストビーフやビーフシチュー、ステーキやグリルしたお肉と相性抜群で、他にも熟成したチーズやチョコレートなどもおすすめで、“ＴＨＥ洋食”といった印象ですね。

ボルドーといえば、赤ワインが大半ですが、白ワインも辛口から甘口まで生産されています。
白ワインは果実感があり芳醇、辛口のものを選ぶと爽快感があり、おすすめのマッチングは、魚介類を使った料理やスパイスのきいた料理、野菜料理などとも合わせやすいです。

一方、ブルゴーニュワインは、赤でも白でも一つの品種でひとつのワインを造るのが特長であり、その年のブドウの違いや畑による違いが顕著にあらわれます。

ブルゴーニュの赤ワインは、「ロマネ・コンティ」に代表されるピノ・ノワール種や、「ボジョレー」に代表されるガメイ種の単一品種で造られます。

華やかな香りが特長で、色調が明るくて渋味が少なくビロードのようななめらかさをもっています。
軽めの肉料理やグリルした鶏肉や豚肉との相性が良く、カツオのたたきや魚の照り焼きなど和風の料理とも楽しめます。

白ワインは、シャルドネ種を中心にしていて、程良い酸味と際立つミネラル感が特長。
魚介類や野菜のグリル、スモークサーモンはもちろん、クリームソースのパスタなどの料理と好相性です。

似たようなテイストのお酒と料理を合わせることもあれば、それぞれ違う特徴を持つお酒と料理をマッチングさせる場合もあります。

「統一感」を楽しむか、「個性」に触れるか、ボルドータイプもブルゴーニュタイプもどちらもペアリングの妙を体験することができますので、紹介した組み合わせ以外にも色々と楽しんでみてはいかがでしょうか。

お酒と料理のマッチングを意識して、自分の求める最高の相性（マリアージュ）を探し出すことは、年齢や性格、趣味・趣向が違う数多いる異性の中から最上の相手との出会いを探すことに近い？（笑）