ワイン界の二大巨頭！

「ワインのことを少し理解してみよう」「ワインの違いって？」と興味をお持ちの方は、まず最初に『ボルドー』と『ブルゴーニュ』の違いを理解して頂けると、ワインという飲み物を知る手助けになると思います。

フランスのボルドーとブルゴーニュは、世界中のワインファンから常に熱い視線が注がれるワインの２大名産地で、もちろん“有名”ということが一番の理由ですが、この２つの産地は、色々な面で比較しやすいということもあります。

ワインには色々なタイプがあり、それぞれに魅力がありますが、ボルドーとブルゴーニュは、品質的に明らかに分かりやすく、ある程度ワインの知識がある人が飲んだ時に、どちらの産地かを間違えることはほぼ無いレベルでの違いがあります。

もちろん、特別なワインや普段は飲む機会のない熟成期間が５０年を超えるようなもの、品質的に劣化してしまっているものなど、例外もありますが、基本的には、ワインの色、香り、味わい、ボトルの形状的にも分かりやすい違いがあります。

なぜこのボルドーとブルゴーニュで違いがあるのかというと、同じフランスと言っても、気候の差が大きくあります。
ボルドーはフランス南西部の海に面した比較的暖かい地区で、ブルゴーニュはフランス北東部に近い中部にあり、海に面していない比較的冷涼な地区にあります。

つまり、「ボルドーは、海洋性気候で温暖」「ブルゴーニュは、大陸性気候で涼しい」というイメージを持って頂けるのではないでしょうか。
そして、この気候の違いが、品質に決定的に影響を与えます。

気候が温暖だとブドウはよく熟して、色が濃く、糖分が上昇しやすくなるので、ボルドーでは、ブルゴーニュに比べて、色が濃くてどっしりしたワインが仕上がりやすくなります。

また、ボルドーでは様々な品種をブレンド（アッサンブラージュ）して、ブルゴーニュでは単一の品種でワインを造るのが一般的です。

理由としては、ボルドーは気候に恵まれているため、ブドウが熟しやすく、単一の品種でワイン造りをすると個性が強くなり過ぎてしまう傾向があったため、様々なブドウ品種をブレンドすることで調和を図ろうという流れがあり、一方のブルゴーニュでは、気候的なビハインドがあり、同じ造り方をしていてはボルドーに敵わないとの考えもあって、ブルゴーニュの土地と気候の特性を踏まえて、繊細さを追求し始めた結果として、ブレンドの妙ではなく、単一ブドウでの先鋭したワイン造りに行き着きます。

そのため、ボルドーワインは「色が濃く、力強くて華やか」で、品質や生産量も安定供給できるスタイル、ブルゴーニュは、極地的な気象条件と土壌条件を反映した「繊細で唯一無二」で、年度ごと・ミクロクリマごと・生産者ごとに違いを生み出すスタイルを確立していきます。

次回、後編では、それぞれの特徴をより詳しくご説明させて頂きたいと思います！