家ワインを美味しく、楽しく

活動自粛していた各種スポーツやイベントの再開、県境を越えた移動の緩和など、新生活様式の推奨による社会経済活動が開始されはじめていますが、まだまだ、休日は自宅で過ごしているという方も多いのではないでしょうか。

そんな家飲み需要拡大を受けて、ワイン販売は中長期的な成長が期待できるカテゴリーとされていて、実際に家飲みデイリーワインが伸長、国内のワイナリー新設が相次いでいます。

家飲みワインのおつまみと言えば、チーズ、生ハム、オリーブ、ナッツなどは、手軽で気楽なおつまみと言えますが、“メインおつまみ”としては少し物足りなさを感じてしまいます。

ワインのお供で、手軽で簡単に作れて、さらに本格的な味を出せる便利な食材が、今回ご紹介する『アンチョビ』です。

皆さんも食べたことはあると思いますが、意外と使い方やレパートリーが思いつかない食材のひとつではないでしょうか。

ちなみに、似た食材のオイルサーディンは、マイワシなどの小型のイワシを茹でて、大豆油やオリーブオイルで煮て缶詰にしてあるもので、味としては、イワシの味が強く、そのまま食べたり、素地使いがしやすい食材です。

一方のアンチョビは、カタクチイワシを塩漬けにして熟成させてから、オリーブオイルに浸したもので、塩気が強く濃厚な味のため、素材そのままというよりは、調味料的な使い方をされます。

発酵食品ならではのうま味とコクが、料理に奥行きを与えてくれるので、パスタやピザなどのイタリア料理、アヒージョやバーニャ・カウダといった南欧料理では隠し味として欠かせない食材です。

フィレ状や渦巻き状で缶詰や瓶詰めとして売られているものが多いですが、簡単家飲みをしたい方には、ペースト状にしてチューブに入ったものが便利です。

それでは、アンチョビを使った簡単おつまみの一部をご紹介させて頂きます。

◎アンチョビ・トースト（２人分）

＜材料＞
・フランスパンまたはバゲット　１／２本
・アンチョビ（フィレ）４枚
・バター　２０ｇ
・ニンニク　１／２片
・ドライパセリ　小さじ１／２

１．アンチョビバターを作る。バターを常温で柔らかくし、アンチョビをみじん切り、おろしニンニク、ドライパセリを混ぜ合わせる。

２．フランスパンは縦半分、横４等分の山形に切り（または好みの厚さにスライス）、切り口に１．のアンチョビバターを塗って、トースターでカリッとするまで焼く。
（お好みでチーズをプラスして下さい。）

◎アンチョビ・キャベツ（２人分）
＜材料＞
・アンチョビ（フィレ）　４枚
・にんにく　１／２片
・キャベツ　１／２個
・黒胡椒　少々

１．キャベツは食べやすい大きさにザク切り、アンチョビはみじん切りにする。
２．フライパンにオリーブオイルとおろしニンニク、アンチョビを入れて熱し、キャベツを入れて炒める。
３．キャベツにオイルがまわったら火を止めて器に盛り、黒胡椒をかける。
（キャベツはしんなりすると食感が落ちてしまうので、さっと炒める程度にして下さい。）


切ったり、焼いたりが面倒だという方には、お豆腐の上にのせるだけとう究極奥義もあります！

器に豆腐を盛り付けて、アンチョビをのせて、黒こしょう、すりおろしニンニク（チューブ）、塩、オリーブオイルをかけたら完成です。

その他にも、トマトソースやカレー、タルタルソースの隠し味としても使え、一気にプロの味に近づきます。

独特の風味と強めの塩気がありますので、アンチョビを食べ慣れていないという人は、まずは少量から試してみて下さい。

色々なジャンルの料理に活用できる万能食材で、ワインはもちろんのこと、ビールや焼酎、ウイスキーなども大変相性が良いので、呉々も飲み過ぎにはご注意下さい！