映画の中のワイン・第73章

先日、観るのを忘れていた『おかえり、ブルゴーニュへ』を借りて観ました。

『猫が行方不明』『スパニッシュ・アパートメント』のセドリック・クラピッシュ監督が、フランス、ブルゴーニュ地方のワインナリーを舞台にした人間模様を描いた作品です。

ドメーヌの家の長男として生まれ育ったジャンは、世界を旅するため故郷を飛び出しましたが、父親が末期の状態であることを知り、10年ぶりに故郷ブルゴーニュへ戻ってくる。

家業を継ぎ、ワイン造りに励む妹のジュリエット、そして別のドメーヌの婿養子となった弟のジェレミーと兄弟３人の久しぶりの再会を果たすが、間もなく父親が亡くなってしまいます。

残された葡萄畑や相続など様々な課題に直面する中、父親が亡くなってから最初の葡萄の収穫時期を迎え、兄弟たちは自分達なりのワインを造るため協力し合います。

その一方で、長男は離婚問題、長女は醸造家としての方向性、次男は義父問題と、それぞれが打ち明けられない悩みや問題を抱えていた。

こういう内容です。特に長女の醸造家としての方向性の悩み、人間関係にも悩まされながら、常に前向きに進んでいく姿はよかったですね。

さて、この映画の中にはブルゴーニュのテロワールについてや、ヴィンテージごとの違いについて、またヴィオディナミのワイン造りなど濃い内容でいっぱいです。
ワイン好きにはたまりません。

ムルソーの畑ごとのテロワールの違いの説明では、ムルソーはグランクリュの畑はありません。
プルミエクリュの畑が18区域あります。

その中で、例えば『シャルム』と『ぺリエール』の違いや、『ジュヌヴリエール』と『ポリュゾ』の違いはといった内容を分かりやすい言葉で説明していました。

また、このヴィンテージの味わいはどうしてこういう風な味わいになったのかといった説明も面白かったですね。

収穫時期の判断、３人とドメーヌの番頭マルセルが相談するシーンがあるのですが、マルセル役のジャン＝マルクリレーロは俳優でありながら、ドメーヌ・ルーロの６代目オーナーでもあります。面白いですね。

ムルソーは楽しいワインです。

この映画を観てあらためて今日も飲みたいと思いましたね（笑）