Meursault(ムルソー)
六本木クラブチックソムリエ 平野 光志
グランクリュ街道を北から南へと縦走してきて、最初に現れる白ワインの生産地です。
ピュリニー・モンラッシェ、シャサーニュ・モンラッシェ、そしてムルソーとの3つの村で「ブルゴーニュのコート・デ・ブラン」とも称されています。
ムルソーの名前が初めて古文書に登場するのは1098年で、カペー朝ブルゴーニュ大公ウード1世が同年に設立されたばかりのシトー修道院へムルソーの畑を寄進したことが分かっています。
コート・ドール全域で現在のテロワールの基礎を築いたシトー派ですが、ワイン作りの出発点はここムルソーであり、今でも村の中心部に12世紀の醸造所が残っています。
近世以降、赤の銘醸地としてブルゴーニュの評価が高まる中、ムルソーは当時から白の産地としての名声を得ていました。
19世紀には「Mont-Rachet(モンラッシェ)」の名前でヨーロッパに流通しています。
斜面の母岩は泥灰石灰岩か白雲岩で、泥土質と粘土質土壌がその上に重なっています。
斜面頂上部は、石灰岩が硬すぎて、ぶどうは栽培されていません。
斜面下部は水はけのよい粘土砂利質です。プルミエ・クリュは、標高240~265mの斜面中腹が栽培区域で、土壌はシャサーニュ石灰岩かジュラ紀中部泥灰岩を母岩としていて、あまり肥沃ではありません。
砂利質である平地に近い斜面ふもとにも、一部プルミエ・クリュがあります。
斜面は集落の北では南東向きになります。斜面は上に進むほど大きくなっています。
わずか2%ほどですが、ムルソーでも赤ワインを生産しています。
栽培はヴォルネイと村堺を接する最北部か平地部分に多く、ヴォルネイのプルミエ・クリュ、サントノも栽培区域自体はムルソー村に属します。
ムルソーのプルミエクリュは、18区域あり、ムルソー3大プルミエ・クリュの中でも、もっともムルソーらしいと言われているのが、「シャルム」。
ムルソー南端の斜面の中腹から下部に位置しています。
次に「ぺリエール」。クリマ名「石切り場」の通り、石が畑全体に散らばり、表土は薄いですね。
そして、「ジュヌヴリエール」。北をポリュゾ、南をシャルムとぺリエールに挟まれた斜面中腹に位置しています。
ぺリエールのフィネスとシャルムの力強さを併せ持っています。クリマ名は昔群生していたと思われるヒノキ科の潅木を語源としています。
ムルソーはいつ飲んでも飽きがこない味わいのワインです。
チックで美女と一緒に一杯いかがですか?