『サンテミリオンのカルトワイン？』

ボルドー・メドック格付け１級のシャトー・オー・ブリオンとシャトー・ラミッション・オー・ブリオンを所有するクラレンス・ディロン家が、サン・テミリオンの中でもメルロ種の生育にとって最上と言われる土壌を有するシャトー・テルトル・ドゲイを買収し、新たに『シャトー・クィントゥス』として2011年から運営に乗り出しました。

『シャトー・クィントゥス』はサン・テミリオン台地の端に突き出た高台にあり、隣村やドルドーニュ渓谷まで360度見渡す限りの絶景が広がります。

このシャトーの例外的ともいえるミクロクリマ（非常に限定した気象条件）は、畑の土壌や傾斜や畑の向きなど様々な要素からの恩恵を受け、サン・テミリオンの歴史でも古くから高い評価を受けていましたが、「世界で最もエレガントで、アロマの複雑なワインをつくる」と言われるシャトー・オーブリオンの支配人を務めてきたジャン・デルマ氏自ら運営に加わり、栽培・醸造には最新技術を取り入れ、収穫はすべて手摘みで、全生産量の28％と収穫を厳しく制限することで、より高い品質を実現しています。

会長兼ＣＥＯのルクセンブルク大公国ロベール皇太子殿下は、「歴史的にボルドーで最も素晴らしいテロワールのひとつであることを証明することになる。私のチームにとっても、ディロン家にとっても、大変重要でエキサイティングな機会だ。」とコメント。

いずれはこのシャトーをシャトー・オー・ブリオンのレベルまで育てることを目指していると語っていますが、実際にその証拠に、クィントゥスの隣にある、サン・テミリオン地区有数のシャトーで、メドックの力強く深みのある味わいとブルゴーニュを思わせる妖艶なアロマが調和する仕上がりを持つカルト的なワインである『シャトー・ラロゼ』も2013年に買収し、今後、シャトー・クィントゥスに併合するとされています。

シャトー・ラロゼは、ワイン評論家達から、「ブルゴーニュの偉大な天才であるアンリ・ジャイエが造ったワインと言っても簡単に通ってしまうに違いない。」と言わしめるほどの実力を持つワインですが、また「一切の宣伝がされたことがなく、サン・テミリオンで最も知名度が低いワインの１つ。」とも言われています。

ボトル形状も、19世紀半ばにオー・ブリオンで使用していた重厚な作りのボトル形状を採用していることからも、その力の入れようが見て取れます。

『シャトー・クィントゥス』2012年を試飲させて頂きましたが、いかにもボルドー右岸というよりは、非常に表現力豊かでエレガント。

色調は、クリムゾンレッド。
タンニンは豊かで滑らかで、味わいは、フルーティーで柔らかい仕上がりになっています。

バランスの良い口当たりが最初から最後まで続くため、繊細な肉料理、鴨や野鳥の料理、中程度の香りのチーズと合わせて楽しんで頂くのがおすすめです。

将来的に、手の届かない領域に入ることになりそうな『シャトー・クィントゥス』の初期リリースのワインを今回、少量入荷することができました！

超一流の仲間入りを果たすことを目標に、ボルドー最高峰の造り手が、サン・テミリオンで最高のワインを造りあげる情熱を持って取り組んだ特別な１本を、この機会にぜひお試し下さい！