土用の丑の日のワイン

夏至を過ぎれば、田植えの終わる頃。青い空に天高く入道雲が広がり梅雨明けを迎え、暑さも次第に増していよいよ真夏日になってきました。

そんな暑い夏の風物詩といえば土用のウナギでしょう。

その始まりは江戸時代の蘭学者・平賀源内が売れないウナギ屋に助言し、店先に「本日は土用の丑の日」と張り紙をして大繁盛したことから「う」のつくものを食べると夏バテ知らずになると食養生の一環として定着しました。

ウナギ以外に、食欲増進に欠かせない梅干しや体の熱を下げる冬瓜やスイカ、冷たいうどんなども食べられていたそうです。

厳しい夏をしのぐため、精のつく土用餅や土用しじみ、土用卵などといったものも今に伝えられています。

土用とは、土旺用事（どおうようじ）の省略語です。

立春（二月四日4日頃）、立夏（五月五日頃）立秋（八月七日頃）立冬（十一月七日頃）の前に訪れる十八日間のことを表します。

中国の陰陽五行説の「木・火・土・金・水」をもとに「春は木、夏は火、秋は金、冬は水」と四季に割り当て、残った「土」を季節ごとの節目に当てたのが土用の由来です。

いわば「土用」は次の季節へと移り変わる調整の期間として、年に四回設けられたのです。

また昔の人は、日にちは十二支で数えていました。

そうすると十二日に一度、「丑の日」がめぐってくることになります。

つまり、土用の丑の日は「土用の十八日の間にめぐってくる丑の日」のことです。

実は夏だけではなく、春から夏、秋から冬、冬から春への変わり目にも土用の丑の日はあります。

季節の変わり目は、身体も心もバランスを崩しやすい時期だと言われているため、こうしてさまざまな風習が今も伝わっているのでしょう。

「ウナギ」を食べるのは、泥の中に暮らすウナギから「土」の気を頂くという意味があります。

土の気に満たされると、人は安定感、バランス感覚が生まれます。
ですから、土用の丑の日にウナギを頂くのは理にかなっているのです。

こんな時にはポムロールの赤ワインＣｈ．レヴァンジルなどが土のニュアンスを持っていて、ウナギにはピッタリ。

今年は、七月二十七日に夏の丑の日は過ぎてしまいましたが、次は十月三十一日です。

土用の丑の日以外でも夏バテしないようウナギを食べ、こんなワインをガバガバ飲んで体調管理をしましょう！（笑）