Ｃｈブラネール・デュクリュ2012

フランス、ボルドー・メドック地区、サンジュリアン村格付け４級のこのワインは、常に格付け以上の評価を受けていて、多数のファンがいる人気シャトーです。

クオリティの高さに比べて、値段が比較的リーズナブルということも愛好家の多い理由ですね。

オーナーのパトリック・マロトー氏は、業界からの信頼も厚く、ユニオン・デ・グランクリュ・ド・ボルドー（ボルドー・グランクリュ協会）の前会長を務めていました。

このシャトーはシャトー・ベイ・シュベル（同じく４級）の向かいに位置していますが、畑はベイ・シュベルやデュ・クリュ・ボーカイユ（同じ２級）より内陸にあります。

そのため、これらのシャトーと比べて、ボディの強さが勝り、ややスパイシーな魅力を備えたワインが造られます。

その濃厚な風味とチョコレートのようなアロマ、これがブラネール・デュクリュの持ち味となっています。

この2012年のヴィンテ−ジは、ボルドーは夏は乾燥し、9月後半から10月にも予期せぬ雨が降ったりと、2011年に続き、生産者にとっては決して平坦ではない年でした。

しかし、出来上がったワインは、しっかりと抽出された果実味が豊かで、驚くほどソフトで丸みのある出来ばえでした。

2009年に通じる豊かな果実味とバランスに秀でたヴィンテージだと言えます。

外観は深みのあるガーネット、甘やかなグランベリーやラズベリー、ブルーベリーなどの赤・黒系果実のアロマに、黒コショウ、甘草、スミレ、ホワイトチョコレートなどの複雑なニュアンスを含んでいます。

濃厚な果実味が口中に広がり、シルクのようなタンニンが上品な余韻をかもしだしています。

熟成のポテンシャルを十分に備えたエレガントなワインです。

今から2030年頃までは、美味しく飲めそうです。

先日、お客様から「何かボルドーでおすすめを持って来て！」と言われて、すぐに思いついたのが、このブラネール・デュクリュでした。

エチケットを観たとたん「ワオー！」で、その後に「ありがとう」と言われて嬉しかったですね。

そんなお客様の笑顔を見たくて今日もワインをあけます！（笑）