スッキリとした白ワイン

毎年５月１５日に行われる京都の三大祭りとして名高い『葵祭』。

下鴨神社から上賀茂神社へ向かう平安絵巻さながらの王朝風俗の伝統を残した葵祭は、古来より五穀豊穣を祈願して行われたのが起源とされていますが、このお祭りには、ひとつの神話が語り継がれています。

はるか昔、賀茂建角身命（かもたけつのみのみこと）の神様に玉依姫（たまよりひめ）という美しい娘がいました。

玉依姫が鴨川で遊んでいたところ、どこからともなく飛んできた丹塗矢（にぬりや）を持ち帰り、自分の床の枕元に置いたところ、誰とも契りを結んでいないのに男の子を身籠りました。

この男の子が賀茂別雷命（かもわけいかずちのみこと）という神様となったのです。

これは聖書に登場する聖女マリアの処女受胎伝説にも似ていて、実は葵祭とは玉依姫の処女受胎を祝うためのお祭りです。

処女受胎が意味する事は「新しい自分の誕生」であり「新しい魂が宿る」ということです。

下鴨神社から上賀茂神社を結ぶ葵祭の行列は、陰と陽の衝突、結合、誕生を意味しています。

日本には他にも陰陽の合一を意味する様々な行事が残っています。

『古事記』では、イザナギとイザナミが矛で地上をぐるぐる混ぜ、生命のもとを作り、日本を形作る場面が描かれていますが、この国生みの様子が餅つきに表されているといわれています。

杵は男神のイザナギを、臼には女神のイザナミを象徴していて、餅つきは、この夫婦が融合して新たな生命のエネルギーを宿す大切な神事だということです。

お餅が広がる背景には、新たな生命のエネルギーをいただくという役割もあるのです。

５月は清々しい季節でもあり、こんな時期にぴったりの辛口白ワインがクラブチックにはあります。

ドメーヌ・ランボー・ピノーの『サンセール・ブラン』と『プイィ・フュメ』です。

サンセールは“貝殻の化石が混じる白い畑”、プイィ・フュメは変わった石“ペクトライト混じりのシレックス土壌”が好まれますが、まさにこのドメーヌは両方もっています。

令和になり、また新しい自分になり、スッキリとしたい時には、このランボー・ピノーの白ワインで決まりでしょう！（笑）