ワインの雑学『ワインベルト』

皆さんこんにちは。銀座クラブチック、ソムリエの鈴木です。

今回のワインの雑学は『ワインベルト』についてです。

もちろん、ワインレッド色をしたズボン用ベルトの話ではありません。（笑）

「ズボン」と言えば、“ズボン”も“パンツ”も、下半身につける衣装の総称で、股のある筒状の形状のものを差すそうですが、ズボンはフランス語で「ペチコート」を意味する「ジュポン」からきているという説と、江戸末期に履く時に鳴る音の「ズボン」から来ているという説があるそうです。

「パンツ」はもちろん英語ですが、イギリスではタイトなズボンや下着のことを指すそうで、通常のズボンは「トゥラウザーズ」と呼ぶそうです。

チョッキ（ベスト）、コール天（コーデュロイ）、ズック（スニーカー）までは、ファッション死語というのは同意できますが、ズボン（パンツ）、ジーンズ（デニム）、ジャンパー（ブルゾン）はナウでヤングな若者にはおじさん扱いされそうですが、昭和言葉のほうがしっくりくる！

閑話休題、ここから気を取り直して本題に入ります。（笑）
『ワインベルト』とは、ワイン用ぶどう栽培の適地帯のことで、おおまかに北緯30度〜50度　南緯20度〜40度、平均気温摂氏10度〜16度、年間降雨量が500〜900ミリ、ぶどうの開花から収穫までの日照時間が1000〜1500時間とされています。（※南緯は30度〜50度という説もあります）

この地域が、世界地図上で見ると２本の帯（ベルト）になっているために、このように呼ばれていて、北半球では、フランス、イタリア、スペイン、ドイツといったワインの伝統国や、北アメリカ、カナダ南部などが含まれます。

日本もこの地域ですが、降雨量が1500ミリと多めのため、栽培には色々な工夫が施されて世界レベルのワインを生産しています。

一方、南半球では、チリ、アルゼンチン、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ
など。
歴史ある伝統的なヨーロッパの国々やニューワールドと呼ばれる銘醸地が全てこのワインベルトの中に入っている事が分かります。

そして、このワインベルトのどの位置にその生産地があるかを理解できていると、ワインの味をイメージしやすくなるメリットがあります。

ぶどうは生産地の気候や土壌に大きく左右されますが、緯度が高く気候が冷涼なほど平均気温は下がるため、北緯でも南緯でも高緯度になれば、酸やミネラル分がハッキリとして、果実味の凝縮感などの厚みは抑え目になりがちなので、白ワインでも赤ワインでも高緯度であれば繊細でエレガント。

逆に、低緯度であれば気候が温暖なため、ぶどうは良く熟し、果実味の凝縮感やボディが厚くなり、酸やミネラル分は少なくなりがちですが、香りや味も濃厚でパワフルになります。

もし知らないワインに出会った時でも、ワイン生産地の緯度を意識して頂くと、同じ品種、同じ醸造方法で造ったものであっても、それぞれの色調や香り、味わいの違いを感じ取ることができやすくなりますので、ワインベルトを思い浮かべて、自分の想像力を働かせつつ、親しい友人や美女との会食などを楽しんでみるのもおススメです！