イタリア屈指の高級ワイン産地

皆さんこんにちは。銀座クラブチック、ソムリエの鈴木です。

イタリアシリーズ第５弾の今回は、イタリア屈指の高級ワイン産地である『ピエモンテ』のワインについてご紹介です。

ピエモンテ（イタリア語で“山の麓”）は、フランス、スイス、モナコと隣接したイタリアの北西部にあり、冬季オリンピックが開催されたトリノが州都です。

ワイン造りの歴史は古く、古代ローマ時代からとされていて、ワインの生産量では、全２０州の７番目でありながら、格付けワインのＤＯＰ（デノミナツィオーネ・ディ・オリージネ・プロテッタ）の数では、イタリア最大を誇る名醸地です。

気候は厳しく季節の変化も顕著で、冬寒く夏は乾燥していて、春と秋には雨量が多く、ぶどうの収穫期である晩秋には霧（ネッビア）が度々発生します。

この霧の時期に収穫期を迎える事からその名がついたと言われる最上の黒ぶどう品種“ネッピオーロ”。（果粒についた白い粉状の蝋分が霧のように見えるなど諸説あります）

このネッビオーロで造る『バローロ』、『バルバレスコ』は、“王のワイン”“ワインの女王”と呼ばれ、薄いルビー色でありながら、強いタンニンと酸味が特徴で、スミレやチェリー、ラズベリー、プルーン、トリュフなど、幅広いブーケを持つ世界で最も魅惑的とされる香り高いワインとなります。

そして、ピエモンテ州のぶどう作付面積の35％を占める“バルべーラ種”から造られる『バルベーラ・ダルバ』、『バルベーラ・ダスティ』は、タンニンが柔らかく、繊細でふくよかな果実味とスパイスのアクセントを伴うミディアムボディタイプ。
肉料理を中心とする家庭料理と一緒に昔から地元で親しまれてきたワインです。

他にも、“イタリア醸造技術が生んだ宝石”と称えられる、ネッビオーロを主体とした『ガッディナーラ』。
ほどよい酸味と丸みを帯びたタンニンを持ち、パワフルでありながら繊細でエレガントな味わいです。

“モスカート・ビアンコ種”で造られる特有のふんわりした甘さが魅力の、甘口・低アルコール・発泡タイプ『アスティ・スプマンテ』、微発泡タイプ『モスカート・ダスティ』。

“コルテーゼ種”を使ったシャープでミネラル感溢れる辛口の白ワイン『ガヴィ・コルテーゼ・ガヴィ』などなど、まさにワインの宝庫と言えます！

美しい山々と湖水地方や丘陵地、今もイタリア諸都市の中でも最も美しい市街地と謳われるトリノを擁し、伝統的な農作物や羊飼いの料理、宮廷の美食文化、フランス料理特有の洗練さや優美さなどが完璧に融合することで形成された、食文化の伝統でも世界的に常にトップのポジションを占める魅惑のピエモンテ。

多種多様な最上ワインを皆さんも楽しんでみてはいかがでしょうか。

出来ることなら、特産品の白トリュフ、ゴルゴンゾーラチーズ、ジビエなどの食材を使ったピエモンテ食文化の真髄をワインとともに現地を訪れて堪能してみたいものですね！