ＫＯＳＨＵ

皆さん、こんちには。銀座クラブチック、ソムリエの鈴木です。

今年も残すところわずかとなりましたが、皆さんの年末年始のご予定はいかがでしょうか。帰省や旅行に行かれる方もいらっしゃるかと思いますが、私の場合は、「自宅でのんびり、お酒が抜けないお正月」となることでしょう。（笑）

お正月と言えば、やはり日本人に欠かせないのは「おせち料理」ということで、今回はおせち料理に合わせて、お薦めしたいワインのご紹介です。

お正月に並ぶ、醤油ベースの煮しめや昆布巻き、お刺身や酢の物、魚卵など、ワインとは合わせにくいと言われる料理たちですが、最近の研究で魚介料理とワインを同時に口にした時に、稀に感じる不快な生臭みの正体が解明されました。

実は、ワインの中に含まれる「二価鉄イオン」という成分が、生魚の脂肪酸の酸化を助長させて生臭さを発生させているというもので、簡単に言うと、ワインに含まれる「鉄」が多いほど、生臭みを感じやすくなります。

ですが、今回ご紹介させて頂く「Ｋｏｓｈｕ＝甲州」には、この二価鉄イオンの含有量が少なく、刺身と喧嘩することがありません。

ひと昔前の日本ワインは、アルコール度数が低くて、風味や香りが控えめ、飲みやすいけど、水っぽいという声も耳にしましたが、醸造技術の向上などもあって、糖度、酸味、香りのコントロールができるようになり、現在では甲州種のワインは世界屈指のコンクールで金賞を受賞する程の成長を遂げています。

そんな甲州種のワインの中でも、今回、特にお薦めしたい３本をご紹介致します。

●「グレイス甲州 鳥居平畑」

極上のシャブリに匹敵すると称されたグレイス甲州・鳥居平畑。
甲州ワインの中でも、極上のテロワールから造られるその味は、シャープな酸味とコクのあるメリハリの強いテイストです。
現在、最も評価が高く支持されている甲州ワインを代表する１本です。

●「ルミエール ペティヤン」

甲州種から造られる辛口のスパークリングワイン。
シャンパンと同じく、アルコール発酵中に瓶詰めすることで、瓶の内部で二酸化炭素がワインに溶け込みスパークリングワインとなる製法のため、シャンパンに匹敵する泡の細かさが特徴ですが、アルコール度数は１１度と低めで、ほんのりした苦味と滑らかな泡のスパークリングワインです。

●「シャトー・メルシャン 甲州 グリ・ド・グリ」

甲州ワインの中でも珍しい淡いピンク＆オレンジな色彩で、アプリコットなどの甘さを感じさせるアロマと、しっかりしたミネラル感、ロゼワインのような特有の渋みがある個性的なワインです。
他のワインでは得られない独特のアロマとダージリンのような心地よい優しい香りが心地よい１本です。

その他にも、甲州ワインと言っても、味と香りに様々なバリエーションがあります。
フランスで伝統的に行われている「シュール・リー製法」という醸造方法で造られた甲州ワインは、辛口で味に厚みがあり、シャルドネなどに用いられる小樽仕込みで造られたものは、甲州の香りに樽特有の香ばしいバニラやナッツのようなフレーバーが特徴となります。

もちろん、おせち以外の和食との相性もとても良くて、どれも3000円から4000円程度なので皆さんも好みの１本を見つけて下さい！

今年も一年間ご愛読頂きありがとうございました。
来年もよろしくお願い致します！